一般社団法人 日本歯科心身医学会理事長挨拶
理事長 安彦善裕
(北海道医療大学 歯学部 生体機能・病態学系 臨床口腔病理学分野
北海道医療大学病院「口腔内科相談外来」)
2019年(令和元年)7月末より、一般社団法人日本歯科心身医学会の理事長を拝命致しました。大変光栄に存じますが、同時に責任の重さをひしと感じております。
日本歯科心身医学会は「歯科領域の心身医療の発展をはかる」ことを目的として1986年に設立され、来年で35年を迎えます。内田安信名誉理事長を初代にこれまで6代にわたる理事長が学会運営にご尽力されて参りました。2007年には、日本歯科医学会の認定分科会となり、同年認定医制度も発足して、これまで約80名の認定医と60名の指導医を輩出してきています。2016年には一般社団法人日本歯科心身医学会となり、歯科領域で唯一の心身医療に特化した学会として発展してきております。現在行われている主な事業は、
(1)学術集会の開催、
(2)機関紙の刊行、
(3)教育講習会、
(4)認定医制度に伴う試験の実施と教育施設の指定
などがあります。これらの活動中のでは、学問や教育に関する議論が重視されがちですが、定款にも記載されていますように、「歯科心身医学の発展をはかる」ことが、「国民の健康および福祉に寄与する」ことを、もう一度見直すべき時期にきているように思います。会員がこれまで以上に、歯科心身症で悩む患者様の対応や治療に寄与することが、本学会の社会における地位向上への近道だと思っております。
また、本学会がこれまであまり取り組んできていない事に、国際社会での活動や交流があると思います。国内の様々な学会では、グローバル化の波に乗り、学術大会の共通言語に英語を取り入れたり、他国の同様な学会との交流が活発に行われてきております。本学会でも、韓国で同様な学会が設立されたことをきっかけに、アジアを中心に連携をとるべく模索をしたいと思っております。その他にも、歯科衛生士や心理師の歯科心身医療への参入の促進や、卒前、卒後教育の標準化など、取り組まなくてはいけないことは沢山あると思っております。
本学会の特徴に、歯科心身医療以外の様々な専門分野をもっている会員の多いことが挙げられます。口腔外科、口腔内科、歯科補綴、矯正歯科、小児歯科、精神科、心療内科、臨床心理と多岐にわたっています。この事は、それぞれの専門家による歯科心身医療に対する考え方を共有できるとの大きなメリットがあります。このメリットを生かしながら、 これまで以上に社会に認めらる学会を目指すべく全力で取り組む所存です。
皆様のご支援よろしくお願い申し上げます。